Qman's Diary

多趣味人間の備忘録

2024-10-17

ここ一ヶ月で紙の本を一万円以上買ってしまったので、読書メモを残す

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友人に本を押し付けられてラノベを読んでから、一年が経とうとしている。

実のところ、年末にはこの友人とインプット奴隷合宿(という名のクリスマスパーティー)を開催し、大量に本を読み、映画を観て、そしてラノベを交換していた。その際、冴えカノとロクアカをほぼ全て、計四十冊ほど借りることになった。しかし流石に荷が重すぎてずっと読んでいなかった。そのうち読書のモチベーションも尽きて、しばらく本を開いていなかった。

変わるきっかけになったのは『天才少女は重力場で踊る』を読んだ時だろうか。新潮文庫nexというラノベと一般文芸の中間に位置するこのレーベルが、読書への道を再び開いてくれた気がする。多くのラノベとは違って一冊で完結していたのも大きい。

それから、家にある本をほったらかして小説をいろいろと買い込んでしまった。一ヶ月で一万円を消費したせいで音ゲーが全然できなくなってしまったが、それなりに満足度が高い生活を送ることができている。読みっぱなしというのも勿体ないので、ここに雑多な読書メモを残すことにする。当然ネタバレを含むので注意。

ここ一ヶ月で買って読んだ本

三体

オバマも読んだ中国発のクソデカSF。分厚いのでカロリーは高いが、それに見合った面白さがあった。

時系列に沿わず、様々な短編のようなものが並べられて、それが最終的に絡み合って次の展開を予想させるという構成を取っていた点が特に印象に残っている。文脈から外れた不思議な短編の存在はなかなかにワーキングメモリを消費したが、あとでそれがしっかりと伏線として機能したときの快感はなかなか得難い体験だったように思う。

当然内容もめちゃくちゃ面白かった。一巻で敵の船を四十枚おろしにしたところで「スケールでけぇー!!!」と無邪気に騒いでいたが、宇宙戦艦が出来て宇宙都市ができて太陽系が滅びて最終的には宇宙が一周してしまってただただ言葉を継げなかったのは良い思い出。

あとは各巻の最後に付属している解説も良かった。最終巻の解説が藤井太洋さんというのもとても良かった。何しろ『アンダーグラウンド・マーケット』がとても好きなので。国家副主席が出てくるような畏まったSF作家の集まりでカジュアルな格好をしていた劉慈欣の話がたまらなく好きだ。

ちなみに三体シリーズだけで五冊あり、しかも一つ一つが千円分の厚みを持っているので、普通に財布に大ダメージだった。何を隠そう消費した一万円の半分は三体だ。劉慈欣の短編集である『円』も買ったから、俺は実に六千円余を劉慈欣に持っていかれたことになる。しかも勢い余ってNetflixまで契約してしまったので本当にヤバい。金がない原因は劉慈欣と言っても過言ではない。チクショウ、すごく面白かったのでいつか球状閃電も買いたいです。

箱男

安部公房の謎小説。謎すぎてなんだかよく分からなかった。

そもそも何で自分と対極ぽい普段目を向けない小説である箱男を読もうと思ったのか。それはひとえにあるシンクロニシティのためである。映画化が発表されて方方で印象的なポスターを発表していた作品だったが、なんと読んでたラノベ原作漫画の主人公も箱男を読んでいた。めっちゃ格好良く。

ついにシンクロニシティの確信に至る。その裏で、俺は、昔からラノベ主人公になりたいと思う嫌いがあったから、俺も読もうと思ったのだ。まあ、シンクロニシティは言い訳である、というのが大まかに正しい。

俺もカッコつけたいという、この世で一番カッコ悪い思いを抱きつつ他の本と纏めて買った。三体と箱男とライアー・ライアー(謎解きバトル系ラノベ)。ランダム読書人間が中山競馬場近くの書店に現れた。

……で、なんでこんな無駄なエピソードを話したかというと、その本について抱ける感想がだいぶ空白になってしまったからだ。面白くないとは思わない、実際俺は全文読んだ。だが結局どれが誰なのかわからなかったりなんかコイツらキモいなーなんて読者失格の感想を抱く中であっさり読み終えてしまう。誰か死んだ?

難解な小説に解説がついている。紙の解説ならまあ読むが、できればちっぽけな読書家のプライドとしてネットで考察を漁るなんて無粋なことはしたくない。が、今回はそのプライドを弾き飛ばしてWikipediaを読んだ。『現在も成功か失敗か評価が分かれる』『アンチ小説』……ちゃんと食べたら美味しくなる魚の骨を生でいこうとしたのが良くなかったのだろうか。兎にも角にも経験値が足りない、俺の負けでした。

探偵AIのリアル・ディープラーニングほか

例によって新潮文庫nexから出ている作品。大変に良い。設定は人格を持てるほどのAIが初歩的なディープラーニングの問題に引っかかるなど、まあそんなことあるか?の部分もあったものの、登場人物がそれなりに濃いしミステリとしても大変良くできている。伏線もしっかりしているお手本作品と言っていい出来栄え。偉そうで申し訳ない……

思春期の等身大の男子と、飄々とした少女AI探偵が織りなす、ラノベというより小学校の頃読んでいたような作品を思い出させる筆致でとても心に刺さる。普通に相以も以相も可愛いんだよなあ。フルダイブVR空間で輔とイチャイチャしてほしい。

この感情を想起して勝手にCPを作る感覚。思い出した。俺は小学校の頃マジでIQ探偵ムーが大好きだった。システム手帳から七つどころじゃない道具を出して華麗に問題を解決していく小学5年生。クールな美少女で掴めないところがあってやたら元(主人公)に近い距離でベタベタする。狂う〜〜〜〜〜〜〜人が狂わないわけないだろこんなん。表紙でちょっと肌が出てる夢羽とかマジで狂っていた。エッチすぎる。脳内CP作りまくってた。今狂ったら犯罪ですか?はい……

……まあそういう感情を想起してくれたこの作品には、ぜひ続いてもらいたいものだ。絶対買うので。

円 (劉慈欣短編集)

これを組み合わせても三体はできない。スケールがデカすぎるので。それはそれとして非常に良かった。『栄光と夢』が特に良かった。戦争をゲームで代替するのFラン兄すぎるな〜と思っていたけど全然グロテスクでつらい。もっと他の面白いやつの話がしたい、『円円のシャボン玉』『月の光』は良かった。あと言わずもがな『円』。三体から抜き出されたこのエピソードを最初にNoteに掲載されていた頃読んだ覚えがある。クソ面白かった。人間トランジスタでコンピュータを作るという狂った計画、あれはマジでみんな見たほうがいい。

ライアー・ライアー

まだ読んでない。そのうち多分1から見返すと思う。自分としては全然好きな部類の話なので楽しみ。ラノベは擦り切れるまで読もうな。

まとめ

なんか途中IQ探偵ムーにすべてを狂わされた人が混ざったのを除けばまあいい感じになったのではないか。どうしようもないコラテラルダメージなので諦めてください。

文責: 睡眠薬

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