4月28日、発表当時から予約していた「天使☆騒々 RE-BOOT!」がついに発売されたので、早速遊びました。
メモみたいなものですが感想を書いておこうと思います。
多大なるネタバレとR-18要素を無限に含んでいるので、ご注意ください(R-18画像は出ません)。
攻略順序
乃愛→天音→かぐ耶→オリエ→来海→風実花の順番で攻略しました。
こだわりがなければ誰から攻略しても良いのではないでしょうか。
全体的な感想(細かい点)
もっとまとめ的な感想は各ルート感想の後に書きます。
ここではネタバレ控えめです。ネタバレするときはスポイラー使います。
技術向上を感じる
LINELIENでのやり取り画面がちゃんと出ててびっくりしました。ノベルゲーのゲームエンジンってこんなこともできるんですねえ……
地味に技術的興味でノベルゲーのゲームエンジン作ってみたいな~とか思ったことがあったんですが、楽じゃないですね。まああの世界は吉里吉里とかがデファクトスタンダードになってて割って入る隙もないですが……
エロゲの男友達枠……どこ……?
A. 木下白石コンビ(来海とよくつるんでる女子二人組)
普通に主人公の男友達が出てくると思ってたので、出てこなくてびっくりしました。あれ大抵のゲームにいたと思うんですけどね。
男の距離感とはちょっと違うとはいえ、なんだかんだ付き合いやすそうないい奴らでしたね。
ただ、主人公の李空がよく話してる井上という男友達はいましたね。なにげにグラのないネームドモブは珍しい気がする。そういやお父さんもグラのないネームドモブだったな。井上はもしかしたらエロゲの男友達の残滓なのかもな……
バッドエンドルートにアレがある
(※スポイラーはマウスオーバーもしくはタップで見られます)
まさかバッドエンドルートにHシーンがあるとは……
それも、そこでしか見られないキャラのやつが……
というかバッドエンド2つあったし片方は結構進んだところで出てきたからちょっとびっくりしました。
分岐で共通ルートに細かい差分が出ている
「一緒にラーメンを食べる」or「そのまま帰る」という分岐があるのですが、前者を選んでおくとその後の共通ルートでラーメンへの言及が入ります。なにげにすごくないですか?前からかな?
次の選択肢まで飛ぶボタンを押してもそこで一旦止まってくれるのでありがたいことこの上なし。
各ルート感想
ここからネタバレにもスポイラーつけません。
攻略順で書いていきます。
共通ルート
- 魔王に声ついてたのちょっと予想外でした。主人公枠で声なしかと思っていました。ストーリーを読んだら納得しました
- 名無しの金髪ロリ天使にガチガチの日本人名がついたときはちょっとウケてましたが、すぐに慣れました
- ヴィズの衣装ヤバない?
- 個人的には立ち絵で腕を下げないと見えないところがすごく良かったです
- バッドエンド専用Hシーンがあってビビリ散らかした。すごい
- オリエかわいい。姫様ぁ……🥺
- クラヴィこわい!軽薄な悪役感でとてもハマってて良い。Another View出るたびに胃がキリキリいってた
- にしてもクラヴィが海に出てきたことがまさか海行きのフラグになるとは思ってもみなかった……
- 天音がUNOってガッツリ言ってるけどUNOって商標じゃないのかな?大丈夫?
- ショッピングモールで服の馴染み具合を気にする場面があったけど背後にどう見ても穂織からお越しの方々がいたのでまあ大丈夫じゃないかな……
乃愛ルート
乃愛が元実験体で魔王にとどめを刺したとかで重い話がありましたが、それはそれとしてモン猟の新作が出てたり、Cafe Stellaが好評営業中だったりと、過去作要素をちらっと含ませてきてくれて助かりました。
あと普通にクラヴィが味方サイド来ててウケた。多分クラヴィは自分自身の利益を最大化するのが上手なんだろうな。ハイパーインフレーションのグレシャムか?
恋するあたりでは思いっきり両片思い状態になって心が温かかったです。両片思いは、とても良い。
いろいろな意味で乃愛は堕天してましたが、それをポジティブに捉えていたのが個人的にはちょっと意外に思えました。人間になるのも魔王の力に染まるのも、それだけ見ればわりとマイナスな文脈に見えるというのも相まってですね。
それと、ラストシーンも良かったです。関係者総出で一芝居打って懲らしめる場面ですが、関係者の中に元敵サイドのクラヴィがいたのが良かった。
総じて、一番人間関係が好きなルートでした。
あと乃愛のわほん助かる
天音ルート
ところどころの場面で「これは義妹だろ!俺は知ってるんだ!」と言ってましたが走りきってみればそんなことはありませんでした。実妹です。
正直そういう思考に至ったのは実の兄妹だと……なんか……こう……みたいな思いがあったからなのですが、終わったらとても良かったので宗旨変えします。好き嫌いやめよう!
それはそれとして妹が結構前からお兄ちゃんすきすきだったというリドジョでも見たような展開になって、後から他のキャラを攻略するときに天音のことを「応援してくれてるけど、でもこいつお兄ちゃんのこと好きなんだよな……」と思っては心を痛めていました。これが感受性です。
葛藤するあまり「いっそ嫌えればいいのに」みたいに言ってたときは心がキュッとなりました。
それで泣いてるところに「俺だけはお前の味方でいてやる」って言われたら、もう泣くしかないですよね。ずるいよ。
そして一度決めたなら危険を冒してでも守り抜こうとする。イケメンですね。
最終シーンでも言っていたように、周りの人たちは責任感のあるまともな人なので、険しいであろう兄妹の恋愛を無条件に肯定・祝福はしてくれないんですね(それでも応援に小さな結婚式を用意してくれる聖人たちではあるけど)。だから、本当の本当に天音の味方と言えるのは李空だけなんですよね。しんどい~~~!結婚式のところは、それでも覚悟を決めた、ということが伝わってくる良い場面だったと思います。
ところで、乃愛ルートから入った身としては魔王アリオンの真意をより深く知る話でもあったので、アリオンとヴィズの関係性にも思いを馳せてしまいました。それだけに、最期の最期でヴィズが救われたような描写があってすごくホッとしました。
このルートは、一番扱っているテーマと描写が好きなルートでした。
かぐ耶ルート
まず印象に残っているのがスマホのシーンです。こういう異世界キャラ in 現代って「この……すまほ?ってなんですか?」みたいな質問で周りを唖然とさせるのがお決まりみたいなところがあると思うんですが(偏見)、かぐ耶は頭が良いのでスマホがめちゃくちゃ普及しててみんな当然のように使っているということをわかった上で、自分の事情を知る信頼できる人物である李空に質問してるんですよね。この描写すごいいいなと思いました。考えられているな、と思います。
ところで乃愛ルートでは乃愛がこっちに定着していましたが、天音ルートではかぐ耶が「妾たちはいずれ帰らなきゃいけない」と言っていた以上どうするのかとおもったら、通い妻宣言で意外でした。異世界とこちらをつなぐにはかなりの労力を要するとのことだったのでそう簡単に行き来できるわけではないとは思っていたのですが、まあ手間暇マナその他諸々が面倒なだけでできなくはないことなのでしょう、と納得しました。
さて、まさかの暗殺未遂という事態にまで発展したルートでしたが、犯人は王位継承権第一位の兄でしたね。まあ乃愛ルートの時点で兄を悪く言っていたのでそうだろうなとは思っていましたが……どっかで異世界編挟まるかな?と思っていたので、異世界編が見られて満足でした。天音ルートでも行ったけど秒で逃げ出して異世界って感じしなかったので……
異世界なりの政治劇みたいなの、好きなんですよね~。やってたのはお芝居バトルですが、ああいうバカバカしさも含めて政治劇だと思っているので(偏見)
最後めっちゃいい雰囲気で月に重ねて見送ってたのに2週間で即位して帰ってきたのはちょっとおもしろかった。別ゲーで3年間くらい別れさせられてたので覚悟してたんですが、ゆずソフトはもっと優しかった。おかげで心が守られました。つらい展開はつらいので……
異世界編が挟まったので、一番ストーリーが好きなルートでした。
オリエルート
ちょっと李空に当たりが強い印象があるオリエですが、共通ルートで好感度を上げているので、このルートでは苦手な機器の操作を李空に教えてもらっています。これがビデオ通話越し→部屋で一緒に、といった感じで距離が徐々に詰まっていきます(徐々か?)。その中で垣間見える不器用な愛情表現がめちゃくちゃに良いんですよね…………
このルートでは不能になったお兄ちゃんのお兄ちゃんが完全復活ではなく一時復活をするので、完全復活に向けてその分接触の機会が増えるんですね。そのたびに近づいていく心と体の距離の描写が、じれじれ好きにはたまらないものでした。
告白シーンにおけるケープを被る姿がウェディングドレスを想起させるのってきっと意図してますよね。おしゃれすぎますね、アレ。
違う世界で生まれた二人が出会うところを収斂進化に例えるのもおしゃれだし、コンドームの比喩にヴェールというのもおしゃれでエッチですよね。最悪なSCP財団全体的に語彙の選択がすごく綺麗なのは育ちの良さを感じますね。
世界観の掘り下げはサブキャラクターだけあって少なめではありましたが、間違いなく一番シチュエーションが好きなルートでした。シチュが好きすぎて逆にストーリー覚えてない……つまり、もう一度プレイできる!お得
来海ルート
水着ヒロイン5人から選ぶところで来海だけ「小雲雀さん」呼びだったので、距離が遠いな~とは思っていましたが、ルート全体でも良い意味で距離が遠めのキャラクターで、そこから近づいていく様子を楽しむことができました。
前世返りがあるだけに、李空への気持ちが前世の姿であるスレイの気持ちなのか自分の気持ちなのかがわからなくなってしまい、お試しで付き合うという展開は、あまり馴染みがないだけに新鮮味をもって読むことができました。
また、頭がいいので前世の記憶をもとにした異世界考察トークをする場面で李空と波長が合ったりするあたりも来海の性格をよく描写しているなと思いました。(李空が誰とも波長合いすぎというのはある)
あと、インターネットでディスられてる実写映画を観て「そんな悪くないじゃん」になるのは解像度の高さを感じました。
異世界関連の話では、ヴェガが恐ろしくも悲しくもある境遇のキャラクターで、来海が同情を示すことも、かぐ耶たちがそれに対して若干マイナスの反応をするのも理解できてしまうのがなかなか心に来ましたし、それに対して結局来海に任せるという流れになったのも彼ら彼女らの友情をたしかに感じる描写でよかったです。アフターストーリーでヴェガがちゃんと成長していそうだったのも良し。
そうして様々な紆余曲折を経たあとに、最後のシーンであらためて告白するというのが、とても綺麗で美しい締め方だと思いました。
一方、来海曰く魔王すきすきだったスレイは、託された自分の役目をしっかり果たしたあと、魔王の後を追って死ぬという寂しい最期を迎えることになりました。描写はありませんが、せめて彼女が天音ルートのヴィズのようにどこかで救われていたらいいな……と思わずにはいられませんでした。
総じて、一番心情描写が好きなルートでした。
あと角掴みの伏線回収助かります!捗ります。
風実花ルート
ある意味一番の部外者なのでどう話が転ぶかなと思っていたら普通に前世魔王と絡んでてびっくりしました。娼姫ファリなんて1文字も今まで出てこなかっただろ……
そして前世の記憶に翻弄されてしまうところは同じですが、一度それで李空が失恋を経験したのはわりと意外に感じました。というか、Hの後海岸で告白するシーンで風実花が冷静に先生モードに入ったところの「ああ、ダメなんだな」という感覚が心に響いたのが印象的でした。
その分あとで誤解が解けるシーンのカタルシスは大きかったですね。
深いキャラの掘り下げもなく短めのルートではありましたが、李空の誤解が解けたシーンでの我を忘れるくらいの行動力が発揮されるシーンはとても良かったです。
やり取りも他のキャラクターよりも落ち着いて大人の余裕を感じる分、どこか安心を感じるストーリーのテンポでした。
一番の好きこそ他のルートに譲ってはいますが、このルートもとても好みです!
総まとめ感想
「ゆずソフトは若干ストーリーが薄めではあるが、安定していて初心者にもおすすめしやすいブランドである」という認識を変えるつもりはないのですが、今作に関してはプレイ後の満足感が今まで以上に大きかったように感じます。
気にしようと思えば気になる細かい瑕疵がなかったとは言えませんが(時々文字にフォントが当たってないなど)、ストーリー内容も申し分ないと思います。
そして、今まで他のエロゲ(特にゆずソフト作品)をプレイしてきた人間にとっても、ちょっと新鮮味を感じる構成で楽しめました。
ぜひ他人におすすめしたい一作です。
なんだか夏が待ち遠しいですね。